【レポート】プロジェクトにおける温度調整:ディレクター集団ロフトワークの目指すもの

日 時 2017年5月16日(火) 18:30-19:30
スピーカー 田根佐和子さん(株式会社ロフトワーク
場 所 MTRL KYOTO(アクセス
参加費 ワンドリンク(500円)

当日参加者15名(世話人3名+スピーカー含む)

○ Loftworkってどんなところ?

  • ディレクター集団
  • MTRL KYOTOは2015年12月オープン
  • MTRL、Fabcafeなどを展開
  • 日本だけでなく台湾など世界に支社がある

○ Loftworkが関わった事業紹介

○ プロジェクトを成功させるために大切なこと

  • マネージメント:失敗をさせない!
  • デザイン:より面白いアウトプットを!
  • プロジェクトの流れの中では、「価値発見、方法策定、計画の策定」が肝

○ プロジェクトマネージメント(プロマネとは?)

  • 従来、建築分野等で使われてきた考え方
  • クリエイティブな分野にも導入
  • 「失敗させない」は最低条件
  • プロジェクトが失敗しないよう、プロマネのメソッドの中からグレーゾーンをつぶしていく
  • スコープ(何をやる?)、タイム(スケジュールは?)、コスト(いくらで?)、品質(何をカバーできればOKか?)、人的資源(何人関わる?)、コミュニケーション(オンラインで?オフラインで?)、リスク(一番辛い状況を避けるには?)、調達(例えばサーバーはどうする?)、ステークホルダー(関係者は?全員見えてる?)

○ よくあること

  • 案件の全容を把握できない! → クライアントのぼんやりとした「こまった」を洗い出し、「あれもこれも」を整理、その原因を探し、誰のための案件かを確認 → クライアントと曖昧な言葉の意味を確認、意識のすり合わせをする
  • 関係者が多すぎる! → 現場が混乱してしまう、自分事化できない、案件の目的がぼやける、 → 決定権を持つ人をみつける
  • クリエイターの力を引き出す!クリエイターを生き返らせる努力をする! → 修正を繰り返さないような仕組みを考え、クリエイターの力量以上のものを引き出す
  • 面白く取り組んだ方が良いものができる cf. 書籍『プレイフルシンキング(上田信行)』

○ ディレクターの役割とは

  • “外科医”:あなたの患部はここですよ、と指摘。信頼感を築く。
  • “キャディー”:芝の目を読み、ナイスショットと声掛け。
  • “現場監督”:大工さんが活躍できる環境を整える。

○ 質疑応答

  • 温度感のずれを調整するにはまずはヒアリングから。客観的なデータを交えつつ、その結果どうしたいかを気づかせることが重要。
  • クライアントとの間に広告代理店が沢山入っているときにはうまくいかないことも…。
  • ホームページのキャッチコピーを考えるだけでもクライアントや関係者とのワークショップをたくさん繰り返すことも。
  • クリエイターにアサインメールを送るときには「ラブレター」メールを送る。複数のクリエイターに、それぞれあなたのここが好き(だから仕事を頼みたい)、この条件でをはっきりと伝える。テンプレメールではなく、オンリーワンメールを。
  • プロマネはノウハウである程度はカバーできるが、それ以降は個人の経験や個性も影響。
  • Loftworkの研修は、最初はメンターありのアシスタントディレクターから。小規模の案件からはじめる。 cf. 書籍『webプロジェクトマネジメント標準』
    http://www.loftwork.jp/news/2015/10/20151008_pmbok.aspx
  • 中の人たちの気持ちがポジティブに向かったことに気づいたとき「この案件は行ける!」と感じる。
  • プロデューサーは最初にクライアントのところへ行き、ざっくり話を聞く役割、ディレクターはプロデューサーから引き継ぎ形にする役割。
  • どのようにして人を巻き込んで自分事するかが大事 cf. 書籍『クリエイティブコミュニティデザイン』
  • クライアントとクリエイターの意識のすり合わせでは、間に入るディレクターは伝言ゲームに失敗してはいけない。
  • 田根さんが次にやってみたいと思うことは、サイエンスや伝統工芸などの分野で知られていない面白いこと、知られていない面白い人たちをマッチングして社会に知らせること。
  • Loftworkには世界に支社があるが、採用は基本的には現地で行っている。
  • Loftworkではクリエイティブミーティングを開き、ノウハウや、失敗した原因、うまくいった原因などをプレゼンして共有している。

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